山家集(ナシ・アリノミ)の短歌
2023.5.14
梨に関する短歌を少しばかりご紹介しておきます。ご興味のある方は是非、読んでみてください。
△梨ナシ・アリノミ
年ふれどかはらずながらつれなしの あらぬ物にも身こそ成ぬれ(新撰六帖 六 家良)
いたづらにおふのうらなし年をへて 身は数ならず成まさりつゝ
(同 為家)をきかへし露ばかりなるなしなれど 千代ありのみと人はいふ也
(相模集)花の折かしはにつゝむしなのなしは ひとつなれどもありのみとみゆ
(山家集 下)甲斐がねに咲にけらしなあし引の 山なしをかの山なしの花
(甲斐国志 百二十三産物及製造(夫木集 能因法師))
△鹿梨ヤマナシ・アリノミ
山なしの花しら雪ふるさとの 庭こそさらに冬ごもりけれ
(夫木和歌抄 二十九梨 民部卿為家)足曳の山なしの花咲しより たなびく雲のおもかげぞたつ
(新撰六帖 六 家良)きゝわたる面影みえて春雨の 枝にかゝれる山なしの花
(同 為家)
参考:吉川弘文館発行「古事類苑」