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梨の貯蔵法

2023.6.28

家の影に穴を深く掘り、穴の底に少しも湿気のないように枯れ葉を敷いておく。梨はすこしでも、傷つけたり傷めたりしないよう木からもぎとり、穴のなかに並べ、水のかからないように覆いをしておく。こうしておけば翌年の夏まで品質を損なうことはない。(この方法では土地の高い所の屋敷など湿気のないところでないともたない)また、大根と梨とを穴の中に混ぜて並べておいてもよい。あるいは梨の果梗をさして穴の中に貯蔵しておいても夏までもつということである。いづれにしても、この貯蔵穴には日陰のきわめて感想した場所を選ぶべきである。

 

 

梨の皮をむいて果肉の薄い切片をつくり、火にあぶって乾かし、菓子にするこれを梨花という。

このようにして作った梨の名物、梨花は、遠い国からの貢ぎものにすると書いてある。また、酸っぱい梨を煮ると甘くなるものである。

一般に梨は果物の王様といわれるだけあって、菓子のうちではすぐれた珍味である。

※日本農業全書13より

 

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