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SSによる梨の受粉作業

2023.6.29

現代農業の2014年5月号に掲載された「ナシもリンゴもSS溶液受粉」長野県松川町・松下忠一さんの紹介記事です。

 

梨の受粉作業は大変な労力と、作業期間が短いのでとても気の使う作業です。梨は、他家受粉で花粉が別の個体にある花の雌しべについて受粉することであり、廿世紀梨であるなら幸水梨、豊水梨、長十郎等の品種の花粉が廿世紀梨の花の雌しべにつかなくては廿世紀梨の実がならないのです。梨の受粉作業は4月の中旬から以降ということですが、天候が左右いたします。晴れて温暖ならいいのですが、この時期は天候も変わりやすく雨なら交配作業が出来ません。しかも短時間で作業をしなければならず時間との勝負でした。梵天で一つ一つ、花粉付け作業をしていかなければならず、この方法は最近まで変わりがありませんでした。少し変わったことは、ラブタッチといわれる、動力で花粉を飛ばす小さな器具ができたことでした。この器具とても故障が多く、専業農家にとっては画期的とは言えないものでした。そこに出てきたのが、消毒をする機械SSを使い梨の花粉を水に溶かして散布交配をするという方法です。

 

 

 

 

私も早速にその年試してはみましたが、なにせ初めてなので半身半疑で溶液受粉を試してみました。まずは清澄梨を試しましたがこの樹園地は幸水梨も豊水梨も混植されているのでSS受粉だけではなく他の要因も考えられるので、廿世紀梨の樹園地での受粉作業を行ってみる必要がありました。2015年の清澄梨は問題なく受粉が確認できました。

 

廿世紀梨もSS受粉を行いましたが、手作業での受粉作業も行いました。しかしこれでは、どちらで受粉されたのか確認できないので、2015年は一切手作業の受粉は行わずSS受粉のみで結果をまちました。梵天での手作業となんら変わりなく、廿世紀梨の結実が確認されました。2017年 今年もSSによる受粉作業を行いました。手作業による受粉作業ですと家族全員4~5人で4日くらいかかる作業ですがSSですとわたくし一人で、3時間もあれば十分に全樹園地の受粉作業をこなせます。そしてこの作業ですと一度ではなく2~3度同じ作業をこなせます。梵天による手作業ですと1度が限度です。

 

家族の労力が頼りの果樹農家としては画期的な受粉方法です。

 

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